「茶クラフト紙」とはどんな紙質?
「クラフト紙」とは、木材などの
植物繊維を利用して
作成された紙です。
現在では様々な素材から作られた紙が存在しますが、「クラフト紙」と呼ばれる紙は木材から紙を生み出す手法の中でも、
現在最も主流となっている「クラフト法」と呼ばれる手法を使用して作成されます。
「クラフト法」は、原料の木材から植物繊維を取り出して、それを使い紙の製造を行う手法の事で、
まず木材の皮をきれいに取り除き、「チップ」と呼ばれる細かい木片に加工します。
その後「チップ」に薬剤を加えて熱処理を行う事で、植物繊維同士をつなぎ合わせてクラフト紙が作られます。
「クラフト製法」は木材の植物繊維を利用して紙の製造を行う為、この製法で作られたクラフト紙は木材と同じように深い茶色の状態で出来上がります。
一般的な紙のイメージでは白い紙を連想する方も多いと思いますが、これは、茶色の紙を白くするために、漂白処理を行って紙を白くしています。
漂白処理を行う事で真っ白な紙になりますが、薬剤を使うため、紙の強度が落ちてしまうというデメリットがあります。
「茶クラフト紙」は、この「漂白処理」を行わずに茶色い状態のまま、素材の風合いや強度がそのまま活かせるクラフト紙です。
「茶クラフト紙」は漂白処理をあえて行わない事で、植物繊維の形状が長い状態のまま保たれているので、四方からの引っ張りに強く、
重たいものを入れても耐える事が出来るなど、通常の紙と比較して強度が非常に高いという特徴があるのです。
よって、重たいものを入れる紙袋や、その強度の高さから段ボールの素材として利用される等、手提げ紙袋だけでなく幅広い分野で活用されています。
茶クラフト紙を使った手提げ紙袋のメリット・デメリット
これまでご紹介してきたように、「茶クラフト紙」は様々な用途で幅広く利用されていますが、
手提げ紙袋として利用する際にはメリットとデメリットがあります。
ここでは、「茶クラフト紙」のメリットとデメリットについてご紹介しています。
茶クラフト紙のメリット
まず「茶クラフト紙」のメリットについてご紹介しましょう。
ナチュラルで柔らかな風合い
まずは、なんと言っても、自然素材だからこそ受ける「親しみやすさ」「ナチュラルな印象」「エコなイメージ」が挙げられます。
原料の木材そのものの茶色の色合や風合いが紙にそのまま反映されている為、「茶クラフト紙」を使用した紙袋はどこか親しみやすさを感じます。
真っ白な紙袋の場合は、清潔さを感じると共にしっかりとした印象を受ける場合もありますが、
「茶クラフト紙」はその自然な茶色からやわらかい印象や安心感を与えられます。
また、ナチュラルさやエコなイメージ等の好印象も与えます。
強度の強さ
先述の通り、「茶クラフト紙」は強度があります。同じ厚さの他の紙と比べて、木材の植物繊維を利用している事から、
引っ張る力に対する強度が非常に強く、重たいものを入れても破れにくいという特徴があります。
低コスト
メリットの3つ目として「低コスト」である事が挙げられます。
その他の紙質と比較した場合、「茶クラフト紙」は少ない手間で製造出来る為、安く大量に製造する事が出来ます。
このため、強度が高く低コストである事から段ボールやセメントの粉を入れる重包装用の素材として利用されたり、
封筒の素材に使われる等、様々な場所で活用されています。
このように、「茶クラフト紙」は頑丈さや安さと共に、ecoな自然素材ならではの親しみやすさがあり、
最近の主流である気取らないシンプルな見た目から、天然素材製品を扱うお店やナチュラルさを出したい時、
オーガニックなイメージを演出したい時などには最適な紙質です。
茶クラフト紙のデメリット
一方のデメリットとしては、「茶クラフト紙」特有の茶色い紙の色合いから、安っぽい印象を与えてしまう事がある点が挙げられます。
特に無地の「茶クラフト紙」は安っぽさを与えてしまう傾向がある為、無地のままで利用するのではなく、
ロゴマークやデザインを印刷すれば、安っぽさは解消できます。
また、「茶クラフト紙」は雨などの水に弱いという特性がある為、水滴がついてしまう状況での利用は出来るだけ避けましょう。
また、デザインを印刷する際の注意点としては、紙のベース色が茶色の為、
実際にお客様から頂いたデザインを印刷する場合はイメージよりもやや濃い色で仕上がる為、
事前にこの点を考慮に入れた配色をして頂く必要があります。
一般的な白い紙はイメージ通りの印刷の仕上がりになるのですが、「茶クラフト紙」を利用する場合には、
茶色いベース色の上に印刷しても映えるようなデザインや色合いになっているかをあらかじめ意識しておく必要があります。
例えば、赤は少しにごった赤、青は少しにごった青、になってしまいます。
しかし、これが逆に”味がある”と捉えることにも繋がりますので、いちがいにデメリットというワケではないかもしれません。